forest 1000 600

お金の教室(1) -生命とお金

お金のこと、好きですか?

この記事は

  • お金が好きなので、お金のことをもっと深く知りたい

  • お金が好きだけど、お金が苦手で困っている

という人向けに、お金についてお伝えしていくシリーズの第一弾です。情報も大切ですがその裏にあるお金の本質はもっと大切です。お金の本質を理解して、上辺の情報に振り回されないようになってもらえたらと思います。お金が苦手だという人には、特に読んでもらいたい記事です。

シリーズ長いですが、最後まで読んでもらえると本当に役に立つと思います。途中何度かどんでん返しが待っています。

table of contents
1.サンマからお金を考えてみる
2.お金の誕生 -マッチング
3.交換し・尺度を与え・保存する「価値」とは何か?
4.お金という命の化身を通して、私たちは命(の糧)のやり取りをしている
5.やがて命の糧の「交換レート」が生まれ、マッチングの透明性が高まる
6.時間も超えて命の糧をマッチングする
7.まとめ

 

flower hand 800 450

お金とは何か? - お金の本質を考える

問:そもそもお金って、何の為にあるの?
答A:お金がないと、何もできない。水も飲めないし、ごはんも食べれないし、電車も乗れない。
答B:お金があると、何でも手に入る。お酒も飲めるし、高級フレンチも食べれるし、ハワイにも行ける。

Aは必要なものを手に入れるため、Bは欲しいものを手に入れるため、お金があるという回答ですね。どちらも「お金は好ましいもの」という点では同じです。そして都会で暮らしていると必要なものや欲しいものをお金で手に入れることはごく普通の習慣になりますね。でも、それはお金を表面的に捉えているにすぎません。お金を稼ぐにも、貯めるにも、使うにも、お金の本質を理解してお金との使い方を変えていけば人生が変わります。

まず、お金の起こりをサンマで考えます。あの、スーパーで売っているサンマ、ザ・秋の味覚。

5サンマ

お金の役割は学生時代、経済学の講義で一番最初に出てきたのを思い出します。あ、サンマは出てきませんでした。経済学では「貨幣の役割は、1.価値の交換、2.価値の尺度、3.価値の保存」と教えていますが、ここでは大学の経済学よりわかりやすいサンマ経済学です。しかもサンマ経済学では、普通の経済学では教えてくれないお金の本質までわかります。

utah mountain 800 450

サンマからお金を考えてみる

お金の起こりを理解するため、お金がない社会(昔々)を考えてみましょう。

一日の働きが終わったあと、漁師さんが今日捕ったサンマを焼いています。そこにお百姓さんが帰ってきてサンマだけじゃ寂しいだろうと、今日採った大根をおろし始めます。その頃既にサンマに大根おろしは必須だったはずですから、漁師さんはサンマを、お百姓さんは大根おろしを、それぞれ準備して一緒に食卓を囲めば良いんですね。メデタシメデタシ、これで完結してしまいました。

こんな感じ
一緒の食卓a 800 400
そうなんです、このお話しで漁師さんとお百姓さんが一緒にご飯を食べるとお金が出てきません。自給自足経済や共有財産制度ではお金が登場する必然性がありません。お金の話しをするために、まず漁師さんとお百姓さんに別々にごはんを食べてもらいましょう。

では、もう一度。
漁師さんが今日捕ったサンマを焼いています。そこにお百姓さんが帰ってきました。でも漁師さんとお百姓さんは食事中のマナーの件(!)で昨晩喧嘩してもう二度と一緒にご飯は食べないと誓っていたのでした。このままでは、漁師さんはサンマだけを沢山、お百姓さんは大根だけを沢山、それぞれ食べることになります。しかし、サンマに大根おろしは必須です(なぜかは後で出てきます)。そこで漁師さんとお百姓さんは、お互い譲歩をします。サンマ半分と大根半分を交換したのです。これで、漁師さんは自分のサンマに大根おろしをつけて食べられるし、お百姓さんも大根おろしと一緒にサンマを食べられます。私有財産制と物々交換の始まりです。

こんな感じ
別々の食卓a 800 440
メデタシメデタシ。あれ、まだお金が出てこないですね。じゃ、もう少し登場人物を増やしてみます。
やがて、この漁師さんやお百姓さんのような人たちが集まって物々交換をするようになります。市場経済の始まりですね。そこでも最初は物々交換をしますが、沢山の収穫物が集まってくると受け取りたくないものも出てきます。

お百姓さん:サンマはゲットしたけど大根がまだ余っているな。どうしよう…
別な漁師さん(漁師B):俺も大根が欲しいから、アジと交換してくれないか?
お百姓さん:今日はサンマがあるからアジはいらない。でも大根と何か交換してくれない?
漁師Bさん:う~ん、何がいいんだろう。

panorama 800 450

2.お金の誕生 ーマッチングする

そんな時には一時的に交換して置けるモノがあるととても便利ですね。どんなモノが良いかというと、①持ち運びに便利で②保存がきいて③誰もが後で使えて④単位を区切りやすい、なんて条件がそろっていれば最適です。その条件を満たしたのは最初は昆布とか穀類とかだったと思います。この一時的交換を間に挟めば、沢山の品物が集まる市場で人々の欲しいものを簡単にマッチングさせることができました。

アジで昆布をゲットした漁師Bさんは昆布をお百姓さんに見せると、お百姓さんは昆布ならいくらでも受け取るよって喜んで大根と交換してくれたはずです。

マッチング 800 480

最初この昆布や穀類のようなモノがお金の役割を果たしたのですが、木札や銅貨がそれにとって代わるためには条件があります。(←あとで出てきます)

大学の講義ではお金の役割を「1.価値の交換 2.価値の尺度 3.価値の保存」とし、交換・尺度・保存の解説に入ります。しかしサンマ経済学では交換・尺度・保存に注目する前に「価値」という言葉の意味をよく理解したいと思います。

sail 800 400

3.交換し・尺度を与え・保存する「価値」とは何か?

お金に1.価値を交換する 2.価値の尺度となる 3.価値を保存する、という役割があるなら、その価値とは何か

先ほどの漁師さんとお百姓さんのお話しでは、漁師さんとお百姓さんは一日の仕事の収穫物(糧)を分かち合ったり交換したりしました。自分が食べる分だけでなく人と分かちあう分も一日かけて収穫しています。(←次回出てきます)

その糧は人の命を延ばすという役割を果たしてくれます。この場合は食べ物だから特にわかりやすいですね。それと同時に、漁師さんとお百姓さんは自分の人生の大切な一日をその糧の為に当てていたことも覚えておきましょう。つまり、一日の命をつかって糧を得て、その糧がまた人の命を延ばすのです。

nature horse 800 400

4.お金という命の化身を通して、私たちは命(の糧)のやり取りをしている

食べ物を「いただきます」というのは「生き物の命をいただくこと」と言います。でも、私たちは植物や生物の生命をいただくだけではありません。魚ならそれを捕ってくれた漁師さん、穀物や野菜ならそれを育ててくれたお百姓さんの命(人生の一部:時間やエネルギーや思い)をいただいています。それを運んでくれる人、それを加工してくれる人、それを売ってくれる人、その為の道具や機械を作ってくれる人、道路をつくってくれる人、スーパーマーケットを経営してくれる人、彼らの命もいただいています。挙げればきりがありません。

そして、現代社会では私たちの命を延ばしてくれるのは食べ物だけではないですね。

職業に貴賤はないと言いますが、どのような一日の働きも何らかの形で誰かの命を伸ばしてくれます。またどのような一日の働きも、その働き手の大切な一日を使っています。(お金でお金を生み出す資本主義はどうなのかという疑問を持つ人もいると思いますが、よく考えると原則は同じだということがわかります←いつか詳しく書きます)

bread 800 350

つまり一日の働きを交換している私たちは、大切な命の糧の交換をしていることになります。価値の交換とは、大切な命の交換を意味しています。そしてその命の対価として受け取り、また命を受け取るために払うお金は、命の化身と言える大切な存在です。

家計を共にする家族は一日の糧を分かちあいます(家事も子育ても命の糧ですからね)。家族は「命の化身」を通さずに命そのものを分かち合っているのです。そして家計を共にしない者同士は、命の化身であるお金を通して命の糧を分かちあいます。このことを考えると貴方のお金を受け取ってくれる人と貴方にお金を払ってくれる人、そしてお金そのものに益々愛着を感じませんか?

大袈裟な話しだと思うかもしれませんが、金額の多寡に目を奪われがちなお金をその本質から理解してお金に対して敬意を払う気持ちが起こればよいと思います。

命の糧のマッチングb 800 480

5.やがて命の糧の「交換レート」が生まれ、マッチングの透明性が高まる

命の糧をマッチングするお金は、他にも大切な特徴があります。

先ほど漁師さんとお百姓さんがサンマと大根を半分ずつ交換する例が出てきましたね。しかしサンマと大根ではカタチも色も重さも大きさも匂いも手触りも味も栄養素も違います。その命の糧を収穫するために要する時間もコストも危険度も違うし、その命の糧が養ってくれる命の時間も違います。また、その命の糧は他の命の糧と交換しやすいかどうかという交換可能性も違うし、日持ちも違います。つまり、価値が違うのです。

最初はすべてを共有していた時の名残でその日に必要な分だけを差し出して交換しましたが、やがて価値の違いを理由に固有の交換レートというのが生まれます。サンマ一匹に対して大根を何本(又は何分の一本)渡すか、という交換レートです。まず、価値の違いに気付いた漁師さんとお百姓さんの間にサンマと大根の交換レートが生まれ、アジと大根にも交換レートが生まれ、アジとサンマにも交換レートが生まれます。しかしこれを全部覚えて物々交換するのはとてもややこしいですし、交換に時間がかかってしまいます。

bread a 800 350

そこで一つ一つの交換レートの代わりに、サンマと昆布(お金)、大根と昆布(お金)、アジと昆布(お金)というように、昆布(お金)との交換レートを設定すれば交換がスムーズにできます。つまり、お金が価値の単位をになったのです。これが、経済学が教えるお金の役割の一つ「価値の尺度」です。その為にもお金は様々な価値や交換に対応できるよう「単位を区切りやすい(小さくできる)」という特徴を備えているモノが選ばれます。昆布は小さく切ることが出来るし、穀類は袋に入れて小分けできますから、そういう意味でお金として使われやすかったのですね。

単位を区切りやすい(小さくできる)の他にも、マッチング機能を発揮しやすくするための特徴があります。それは持ち運びやすい(軽く小さい)、保存がきく、そして誰もが受けとってくれる、でしたね。このような特徴を持っているお金は価値の交換をスムーズにして、命を養い命を延ばす働きをしてくれます。

しかも、このように効率的にまたわかりやすく命の糧の交換レートを示すことができると、取引の透明性が高まります。結果としてより多くの人が取引に参加しやすくなります。

こんな感じ(わかりやすくするため、お金で交換レートを出しています)
マッチングしやすい

6.時間も超えて命の糧をマッチングする

ここまでは主に空間移動を伴う命の糧の交換を考えてきました。先の例でも漁師さんとお百姓さんの間でサンマが空間移動してましたよね。でも、交換には空間移動だけでなくて時間移動もあります。

わかりやすい例として、昆布を考えましょう。サンマはすぐ食べないとダメになります(価値が下がる)が、サンマを昆布に交換しておけば価値を保つことが出来ます。その昆布で、また来週サンマを手に入れることが出来るかもしれません。つまり、今日捕った命の糧を未来の命の糧と交換することが出来るのです。

漁師さんとお百姓さんの間の価値の交換は空間移動のイメージですが、こちらは今日の漁師さんから未来の漁師さんの間の価値の時間移動です(又は、過去の漁師さんから今の漁師さんの価値の時間移動)。つまり、命の糧の時間移動です。

bread b 800 350

これが経済学が説明するお金の3番目の役割「価値の保存」です。大漁・豊作の時の命の糧をお金に換えて保存することで、将来の不漁・凶作の時にも命の糧を使えるようになります。

この価値の保存は現代風に言えば「貯蓄」になります。また貯蓄が可能であるからこそ「蓄財への執着」が生まれ、蓄財への執着はお金をめぐる争いとお金への嫌悪感を誘発します。しかしこのお金の役割と性質を良く理解するためには、後で出てくる「信用」についても理解する必要があります。

さて、経済学で説明するお金の役割はこれで説明してしまいました。「価値の尺度」も「価値の保存」も「価値の交換」の一部を取り上げたものだということがわかったと思います。

atlantic 800 400

7.まとめ

  • お金は命の糧をマッチングするために生まれた、命の化身である

  • 私たちのお金のマッチングを通して世界中の人の命と繋がっている

  • お金は異なる価値の命の糧のマッチングに優れている(尺度機能)

  • お金はある時点の命の糧を別時点の命の糧とマッチングすることが出来る(保存機能)

 

この記事ではお金について理解する上での土台となる部分を見てきました。しかし、今回の説明ではマッチングに関わる大切な前提をいくつか素通りしてしまったことに気付いたでしょうか?今回の説明を否定したり疑う必要は全くありませんが、お金の本質を理解するためには他に理解すべきことが沢山あります。是非、次の記事もお読みください。

moon lake tree 800 500

  1. sunsetx 1000 600

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP